『静かなる決闘』(1949年、日本)

三船敏郎はかっこいいね。職場の同じフロアに似た人がいるのです。その人は惜しいことに背が低いけど、でもかっこいい。心の中で「ミフネ」と呼んでいます。
映画の主役はもちろん三船敏郎なのですが、影(でもないか…)の主役は看護婦見習の人。千石則子という女優さん。なんとなく名前は聞いたことあるし、有名な人なのでしょう、きっと。貧しく無知なために、三船敏郎演じるお医者さんを逆恨みする憎々しい演技も素晴らしいし、後半、彼の秘密を知ってしまってからの演技も、注射を打ってあげたり、梅毒野郎に食って掛かったり、患者さんを励ましたり、とにかく魅力的。映画のラストも彼女が手術を一所懸命手伝うシーンで終わる。1949年の日本がどんな世の中だったのか知りようもないけど、彼女のような演技のできる女性はどんな風に評価されたんだろう、と漠然と考えていた。ひどいこと言う人もいたんじゃないかと、勝手に心配したり。
映画を鑑賞するうえで、気にすることじゃないのかもしれないけど、梅毒に感染したお医者さんが、戦地ならともかく、他にもお医者さんがいるであろう戦後の日本で医療活動をしている、ということが、どうも気になってしまった。看護婦見習の人もその点をせめるべきなんじゃないのかな〜、と思ったり。