『Ray』(2004年、アメリカ)

見よう見ようと思いつつ、仕事が忙しかったり、すぐ終わる単館系を優先させたりしていて、今になってしまった。アカデミー賞の有力候補だったし(実際、主演男優賞を受賞…)、まだまだやるでしょう、とのんきにしていたら、今週から朝いち1回だけに変更になっていた。公開が控えている『アビエーター』ばかりをテレビで取り上げていたから、動員が伸びてないのかな〜。レイ・チャールズは日本でも有名だし(私でも知っている)、内容も感動ものなのにね〜。
で、安心して私は観始めた。少なくともつまらない映画ではないだろうと。それに、有名な人の伝記映画は結構好き。事実は小説よりも奇なり、ではないけど、個性的な人の人生はそれをなぞっていくだけでも充分おもしろい。実はレイ・チャールズのことはよく知らないけど、ずる賢いところ、女好きなところ、身勝手なところをちゃんと描きつつ、レイの無垢な部分を表現しているので、反感持つことなく、彼に同調しながら映画を見続けることができた。
ところどころ、時には悪夢として挿入される、子供時代の映像がとても効果的。特に母親が強烈な印象を与える。盲目になってしまったレイが自分の力で立ち上がるところを見守るシーンや、ラスト近くのレイ自身の夢(脳内?)に現れ、彼を抱きしめるシーンなど、人類は基本的にマザコンなので、大抵の人はぐっとくるんじゃないか。
ラスト、母親に抱きしめられるシーンで終わりかな、と思ったら、ジョージア州ネタが残っていて、感動攻撃。不覚にもじーんときてしまった。素直に良かったね〜と感じました。エンドロールはもちろん、本物の歌。ここでまた泣かされてしまうわけです。良かったです。映画が終わった後、ショッピングモールに戻りたくなかった。