『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』(1975年、日本)

15作目。リリーがマドンナ2回目の作品(だと思う)。マドンナとしての登場回数が最も多いのが、リリーだったはず。
15作目にもなると、おいちゃんはおなじみのおいちゃんでした。私は初期のいいかげんそうなおいちゃんも好きです…。あと、本編前の無意味な劇中劇が当たり前のようにありました。おばちゃんの南方系のコスプレが異様にはまってて良かった。ヒロシはムチで打たれてるし。子供のころはこの「劇中劇」が不思議だったけど、母親に「寅さんはこういうもんだ」と教えられ、これが大人の遊び(余裕)なのか!と感心したような、しなかったような…。
この作品も非常に密度が高くて楽しめた。船越英二が昔の恋人に会いに行くシーンも良かったな…。船越英二の存在自体ものすごく良かった。浅丘ルリ子もはつらつとしていて良かった。
おそらく有名なシーンだろうけど、メロンのシーンが良かったな〜(←こればっかり)。リリーの啖呵に拍手しているおじさんがいたほど。寅さんがすねるんだけど、リリーには直接文句を言えず、さくらにあたるところがかわいかった。そして、「相合い傘」のシーンでほろりとすると…。
ラストの「結婚」をめぐるシーンも、すごかった。「寅さんのばかー」と見る人は全員思ってしまうのでは…。ま、寅さんはあーでなきゃいけないのですが。
今回もまた、ほとんど素なんじゃないかと思う、お兄ちゃんに向けるさくらの表情を見ていると、何でもないシーンなのに、じわーっと来てしまった。情緒不安定でしょうか!