『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年、アメリカ)

私は映画を観る前は、事前情報をなるべく入れないようにしている。私自身が他人の意見に影響されやすいこともあるし、まったくの思い違いを書いている人も結構いて、そういういい加減な情報は鑑賞の妨げになる。最近はキーワードをたどることも少なくなった。と、いうわけで、この映画もなるべく情報に触れないように触れないようにして臨んだ。しかしながら、アカデミー賞の各部門をいろいろ受賞しただけあり、CM・ネット・雑誌で結構取り上げられている。CMだと、女の子がひたむきに頑張る話なのかなという感じ。週刊文春の映画評は、目を細めて星の数だけチェックすると、なんと全員星5つ…。同じ号で小林信彦も褒めている…。これは期待するなっつーのが無理な話です。
で、期待感に満ち満ちて鑑賞したわけですが、私のツボ、「貧乏」「ブサイク」「ファザコン」の3拍子ではないですか…。しかも、31歳ですってよ! なんだかよくわからないのですが、「Trash」の彼女がモーガン・フリーマンの部屋をみて、本気で「素敵な部屋ね」という所、モーガン・フリーマンがその様子を見ているときの表情なんかで、もう、うーっときてしまって、あとは、彼女が徐々にイーストウッドに受け入れられていく、イーストウッドが彼女を受け入れていく、要所要所でずーん、ときてました。彼女の家族の話はちょっとやりすぎかな〜と思いましたけど。あんなにわかりやすかったら、かえって楽なんじゃないでしょうか。
ラストは衝撃でした。内容ももちろんだけど、このラストにしたイーストウッドにものすごく興味がわきます。良識派のおばちゃま達の感想が聞きたいです。
うまく文章にできないのですが、見終わって1日たっても、まだこの映画のことが頭から離れないです。ラスト近くの彼女の笑顔を思い出すと、今でも、うーっとくる。単純に泣きたいのだったら、他の映画をお勧めします。精神衛生に悪いです。