『男はつらいよ』(1969年、日本)

副題なんだろう…、と検索してみたら、第一作だから『男はつらいよ』だけで正式タイトルらしい。私はそんなにたくさん「寅さんシリーズ」を観たことがあるわけじゃないけど、この一作ですっかり定型が出来上がっているように感じた。テレビドラマが先行してあったらしいので、脚本がきちんと練られていたのでしょうか。
おいちゃんが違う人だったり(何作目かで後の?おいちゃんと交代、おばちゃんは変化なし…)、さくらがかわいかったり、ヒロシがかっこよかったり、御前様がちゃんと登場してたり(当たり前)、マドンナが無邪気でかわいかったり(ある意味とんでもない)、お楽しみポイントは盛りだくさんだけど、私が一番いいな…、と思ったのは、さくらが「おにいちゃん」を大好きなこと。黙って旅立っていったときの追いかけっぷりや、再び戻ってきたときの喜びようは、観ているだけで嬉しくなってくる。あんなふうに誰かに対して、素直に「大好き」という感情をさらけだすことがないもので…。
ヒロシに「僕の立場になって考えてみてください」といわれて、寅さんが「俺がお前の立場になれるわけねぇじゃねぇか」というところは、妙に納得してしまった。それを踏まえたうえで「人の気持ち」を察することが必要なんかな〜。考えるだけは簡単。
あとは、やっぱり志村喬。ヒロシのお父さんだったとは知らんかった…。まさに特別出演。
他のシリーズも見たくなってきた。とりあえず、リリー編はみたい。
 
追記:ファンサイトをいろいろ見てみると、一作目から順番に丁寧に観ていきたくなった。志村喬もあと何度か出演するようです。