『ロング・エンゲージメント』( 年、フランス)

堕天使のパスポート』でお気に入りに加えられたオドレイ・トトゥが主演、という情報だけで鑑賞を決定。はじまって、戦争映画(?)だったことを知る。どういう方向に進んでいくのかよくわからず、近くに座ったお行儀の悪いカップルに気をとられながら(行儀の悪い大人がどんどん増えているような…。しつけのなってない子供たちが次々と大人になっているのか。私が歳をとったのか。)、何となく集中できずに見ていたら、戦争で行方不明になったフィアンセを探す謎解き物を軸に戦争の実態を描こうとしてるのかな、と思えてきた。でも、何か中途半端な感じ。おそらく、すごい製作費をかけているんだろうけど(空撮とかCGとか、20世紀初頭のパリとかとか)、どうも地味。オドレイ・トトゥが20歳の女の子を演じていて、それこそ熱演なのだが、迫力ありすぎで、ひたむきさとか健気な感じが出てない(そんなのは狙ってないのか)。もっと若い、かわいらしい人がやればよかったのかな、と思ったり。フィアンセ役の子はあほっぽい感じで良かったです。
あと、マチルダ(トトゥさん)が要所要所で願掛け(というのか、横断歩道の白いところだけを踏んで渡り切れたらいいことある、というようなやつです。)をしてて、彼を見つける寸前でもやるんだろうな、と思っていたらかわされた。彼もあっさり(実際は全然あっさりではないはずなのだが、そんな感じなのです…。)見つかってしまうし。うーん。惜しい感じです。
映画自体の評価とは別に、「戦争」というものについて、いろいろ考えてしまった。この映画の戦争を描写したシーンを見ていると、まさに悲惨の一言なのだが、一方で、「こんなばかばかしいことをホントにやっていたのか」とふと思ってしまった(もちろん、誇張はあるのだろうけど)。徴兵された庶民同士が傷つけあって、どうなるというのか、何が変わるというのか。本当にわからない。でも、そこに向かっていった為政者を選んだのは庶民なんだよなー。
この映画、『ローレライ』や『あずみ2』にお客を取られたようで、がらがらだった。すぐに終わってしまいそう…。それにしても『あずみ2』は、予告をみるかぎり、ものすごくつまらなそうに思えたのですが、お客さんがいっぱいいてびっくり。みなさん、どんな基準で映画を選んでいるのか不思議。テレビ?