『オペラ座の怪人』(2005年、 )

何年か前に劇団四季の『オペラ座の怪人』を見たことがある。その時、『オペラ座の怪人』ってこんな話なのか…、と思いつつ、ちょっとクリスティーナひどいな、怪人がかわいそう、と感じてしまった。子供のころからお世話になってきた怪人を捨て、若い金持ちに乗り換える若い女のように見えたのだ。
今回の映画は、ストーリーをだいたい把握していたせいなのか、登場人物たちの心の動きがとてもわかりやすかった。クリスティーナが怪人を慕いつつも、幼馴染の魅力的な若いラウルに心ひかれていくのがよくわかる。怪人のあんまりな行動の数々(殺さなくてもいいじゃん!)でそれが決定的になるところも。でも、彼の魔力には抗えずくらくらし、仮面をとった哀れな姿に落胆しつつも嫌いになることはできない。ラウルも若くて強引なだけじゃなくて、ちゃんとしてる人じゃん、と感心してしまった…。怪人も、ストーカーっぷりを遺憾なく発揮、仮面をとった姿も目をそむけるほどでなく、哀れさがほどよく出ていて、クリスティーナが怪人を完全に拒絶できなくても無理ない…、と納得できる。
ただ、怪人はもうちょっとおじさんがよかったかな。もちろん狙いなのだろうけど、変にエロかったし。あと、「ダーエ家の墓」がでかすぎて興ざめ。寄宿舎に入らなくてもいいんじゃ…、と現実的なことをついつい考えてしまう。でもあんまり小さいと怪人が隠れられんか。
しかししかし、何といっても、ラストがかっこよかった!見終わった後、イヤな気分が残らない。次の日、目がさめたら、自然にあのテーマ曲を口ずさんでしまいました。