『体内時計』(寺島しのぶ 著、主婦と生活社、2003.12.28)
ヴァイブレータ』が印象に残る女優さんのエッセイ。読み始めたあとに、歌舞伎役者との交際について触れた部分があるということで、ワイドショーなんかで取りざたされていた本だと気づいた。恋愛に関するところを読んでいると、何となく不思議だと思っていた組合せも納得いくような気がした。それよりも、家族に関する部分の方が興味深い。弟さんとの絆が深いようだけど、確か弟さんは年上の女優さんと噂があった記憶がある。弟さんもシスコンなんだろうな。
『蕨野行』(村田喜代子 著、文藝春秋、H6.4.20)
著者の筆名のイメージから、何となく敬遠していたのだが、読んでびっくり、おもしろい! いわゆる「姥捨て山」を題材にした小説で、姑と嫁の語り合いだけで構成されている。はじめは読みづらく感じたのだが、物語の世界に入り込んでしまうと気にならなくなる。「姥捨て山」が話の中心だが、まつわる江戸時代(だよね?)の農村の有り様がおもしろい。特に、若い女性(嫁)の扱われ方のくだりは、胸に迫った。ホントに今の時代の女で良かった。 あと、殺されてしまった赤ん坊が要所で現れるのだが、これが、怖い!! この作品は映画化されているようなのだが、この部分はどう表現されているんだろう。一人で部屋で見て、耐えられるかな…。 とにかく、著者の他の作品も読まんといけん。楽しみが増えた。