『父、帰る』( 年、ロシア)

邦題を思いついた人はえらい。句点が入っているのは、ドラマ『人間・失格』と同じ配慮なのでしょうか。
おやじが何でいなくなったのか、12年間何をしていたのか、何で戻ってきたのか、何で島に行ったのか、などなど謎のまま。ラストの「パーパ、パーパ」が良かった。観終わった後は、予告にもあったけど、不思議な短編小説を読み終えた後のような気分になった。
ワーニャは、少なくとも12歳以上のはずだが、それにしては子供っぽすぎるのではないか。そりゃ、おやじも怒るよ、と私はお兄ちゃんの気分になって、ハラハラしてしまった。
 
↑お兄ちゃん役を演じた子が、完成試写直前に撮影を行った湖で亡くなったそうです。後引くタイプの映画ですが、このことを知ると余計にいつまでも余韻が残る。